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→ 舞台 銀河英雄伝説 第四章 後篇 激突 感想記事


舞台 銀河英雄伝説 「輝く星 闇を裂いて」観に行ってきました。
以下感想です。


11月17日の夜公演。千秋楽前日で、DVD用のカメラも入っていました。
ホールには河村氏や貴水さんからのスタンド花が飾ってありました。その前で、作品のストーリーについて解説する同盟軍兵士と帝国軍兵士の2人組の姿が。今回も多く来るKis-My-Ft2ファンに向けての配慮なのでしょうか。



今回のストーリーは、原作外伝3巻「千億の星、千億の光」に沿ったものですが、オリジナルキャストとしてKis-My-Ft2の二階堂君演じる「ダーフィット・フォン・ロイス」というキャラクターが、撃墜王編からの続投となる横尾君演じるキルヒアイスと対になる立ち回りの人物として登場します。


そして観劇後、感じたこと・・・
撃墜王に続き、「またか・・・」と思いました。残念な意味でですが。


パンフレットにある脚本・ヨリコジュン氏のインタビューには、
今回の舞台は、オリジナルキャストのロイスとキルヒアイスを軸としたオリジナルのストーリー展開、白兵戦の魅せ方、そして舞台装置と映像を駆使した艦隊戦の表現に力を入れた、とあります。
その、見所とされた3つの点について語りたいと思います。




まず、原作とは違うストーリー展開。
これについてはキャラクターごとに追って書いて行きたいと思います。


今回、主人公の一人であった、キルヒアイス。
撃墜王の時もさんざん書きましたが、横尾くんの演技はやはり閉口するものでした・・・。
まあ3ヶ月足らずで劇的に上手くなっていたりする筈もないんですが・・・。うーん。
今回も見事にカミカミで、横尾キルヒアイスが登場すると自然と身を固くする、という笑


そのキルヒアイスに相対するキャラクターとして登場した、二階堂君演じるダーフィット・フォン・ロイス。
彼もどうにも矛盾したキャラクターでした。キャラクターの未熟さ、というより脚本のキャラクター描写の未熟さ、と感じました。
彼の敬愛するリューネブルクの人物描写が甘いというのもおおいにありました。
原作の少し情けないながらも、野心の赴くまま行動する潔い男、リューネブルク像そのままの方が、まだ人間味があってよかったと思います。
ロイスの憧れとして、ラインハルトと重ね合わされる存在としてあるべく、新たに付け足されたリューネブルクの人生観はどうにも薄っぺらくて、彼の行動に大きく矛盾点を作ってしまっていた気がしました。
しかしまあ、一番問題なのはロイスがまさかの生存を果たしたことによって、内乱編にむけてものすごい爆弾を残していったことにあります・・・ 
まさか観客が第一章のストーリーを忘れかけていることに託つけて、三たびキスマイ二人を登場させて、もう一度キルヒアイスを殺すんじゃなかろうか・・・恐ろしい・・・。

しかし、今回主役2人の共演シーンが多く、その度にまわりが黄色い熱気に包まれるのを感じたものですが、どうにも演技が稚拙すぎて、背中が痒くなることたびたびでした・・・アドリブシーンもありましたが、あれが彼らの限界だな・・・と感じました。


先にも書きました、リューネブルク。
中原さんの演技が素晴らしかった分、脚本の空回り具合が際立って残念でしょうがない。
シェーンコップも同様。岩永さん、どうにもシェーンコップらしく見えません。殺陣シーンもキレよく演じてらっしゃって、長身が映える役所なのに、何故ああも生き生きとしないシェーンコップになってしまうのか・・・


ローゼンリッター隊員、リンツ、ブルームハルト、デア・デッケンの面々も、問題ないといえば問題ないんですが、どうにもクサい人情味を出しているなあ、と思いました。
シェーンコップの人物描写にも言える事ですが、同盟軍、ことにローゼンリッター隊のもつ皮肉屋の成分や斜に構えた感じ。それがローゼンリッターの隊員を表現する上でもの凄く重要だと思うのですが、これらが全く感じられないのが問題じゃないでしょうか。


他の脇役勢に目を向けますと、
まず3代目になりますラインハルト役、間宮祥太朗くん。
先代ラインハルトのニコラス君に比べれば、充分といえるラインハルト様を演じてくれました。
横尾くんにつられたのか噛んでいましたが笑

エーリッヒ・フォン・ハンテンベルクの三上俊さん。役には不釣り合いな年齢ではありましたが、過不足なく演じられるので、毎度のことながら、すごいなあ・・・と思ってしまいます。

ビュコック提督。
びっくりしましたが、噛んでました笑。これまたどうにも良いおじいちゃんすぎて、イメージが違うなあ、と感じました。先代で兼役としてビュコックを演じてらっしゃった伊藤さんの方が役に合っていたような気がするんですけどね・・・

グリンメルスハウゼン、セレブレッゼ両上司は、とてもよかったです。ミュッケンベルガー提督も若すぎるんじゃないか、と思っていましたが、なかなかハマっていました。
ヴァーンシャッフェは、まさかの彼の死のシーンから始まるという不名誉な役所でびっくり。
ロボス元帥はまたしてもちょい見せか・・・と思いきや、ありえない方向にキャラクターが進化していたホーランドとの絡みで、またしても良い味出してました。
オフレッサーはキャラクター紹介の写真で、コントみたいなトランプマークを付けていましたが、舞台ではちゃんと生々しいヤクザ傷になっていて安心しました。

女性陣。
リューネブルク夫人エリザベート役のコトウロレナさん。・・・どうしてまあ、毎回こうも日本語が不自由な俳優を選ぶものかと、呆れてしまいます。稲川素子事務所と専属契約してるのか?と疑りたくなる。
シェーンコップの愛人・フィッツシモンズ中尉。シェーンコップの愛人たる人物があんな乳臭い女なわけがないだろう・・・と言いたくなりました。
彼女の死に様は、絶妙に鈍いシーン転換のせいで、どうにも印象が薄くなっていました。


感心してしまったのが、ケスラー役の岸祐二さん。
素晴らしいほど完璧にケスラーを演じていました。台詞の抑揚からお辞儀の仕方まで完璧笑
是非とも「ホクスポクス、以下省略!」と言っていただきたい。

ケスラーで締めると、ケスラー語りで終わってしまうような舞台でしたが、
キャラクター語りに重点を置かないと、矛盾の固まりであるヨリコジュン脚本は感想が書けない笑




次に白兵戦の表現について。
艦隊戦と同じく、今回の舞台の見せ場であった白兵戦のシーンでしたが、これもまたなんとまあ迫力に欠けるものだった・・・。
シェーンコップとリューネブルクの最後の戦いではそれが顕著に現れていました。
効果音を使わず、生の臨場感を出したかったのでしょうが、今まで盛大に武器の音をあげて闘っていた二人が無音状態の中、立ち回りをしているのは、かなりシュールに見えました。
シェーンコップとの戦いの前の、ローゼンリッター隊員とのリューネブルクの殺陣も、スローモーション表現を多用したものでしたが、どう見てもコントにしか見えない代物でした。

もうひとつ問題だったのが、観客席からの俳優の登場、というのを何度か使用していたのですが、客席の前方ではなく、舞台からだいぶ距離をとった場所で演技をしていたため、俳優さんが見えなかった!
同盟編第二章の時にも、ジェシカが客席から登場し台詞を言うシーンがありましたが、女優さんが見えない、ということはありませんでした。今回もその時と近い席で、2階席前方から観劇したのですが、デア・デッケンと帝国軍兵士の戦い、ラインハルトと同盟軍兵士の戦い、観客席で行われた戦闘両方とも全く見えず、これにはかなり困惑しました。こんなことあっていいのか・・・




そして、映像を使った艦隊戦の表現ですが、判りにくかった。

今までの舞台では、同盟軍、帝国軍の戦いはダンスとして表現され視覚的に判りやすくなっていました。第一章を見た当時は、「なんか滑稽だな・・・」と思っていた「艦隊ダンス」がいかに優れたものだったかを知りました笑

今回、舞台初見の人で、軍記ものに慣れ親しんでない人には殊更かなり不親切な表現であったと思います。
簡易化された戦局図の映像に、「火力によって先制し、引きずりだした敵を、後退しつつ、さらにたたき、突出する敵の左右を逆進して背後に展開し、後方からの砲火で撃滅する___」や、「あそこに火線を敷かれたら、右側背を直撃されて、全軍が瓦解していたところだった__」など、の小難しい台詞を矢継ぎ早に説明されても、全く「?」な状態になってしまうんですよね。
原作小説の文字の表現であっても、何度か読み返したりしてやっと理解できるようなところを、言葉でそのまま真似てみても簡単に理解できるはずがないんです。
ダンスの表現であれば、「今、どちらが攻撃をしかけ、どちらが勝っているのか」という重要な部分が判りやすく見る事ができるんですが、いかんせん、今回の表現では戦局がかなり判りづらかったです。そのせいで、艦隊戦の緊迫感が全く感じられませんでした。

緊迫感を無くしていたといえばもう一つ、艦隊の映像でのBGMの使い方が酷すぎでした。
迫力ある砲撃戦、のシーンのはずが軽快なワルツが突然流れ出したりと台無しでした。まさに「ピクニックに行く」ような演出になってしまっていました。
それと音響でいうと、第六次イゼルローン攻防戦における、ラインハルトの戦術の最大の見せ場ともいえる、トゥールハンマーの発射シーン。あの巨大兵器にサイレンサー機能でもついてるのか・・・、と言いたくなる無音発射。まったく情けないシーンになってました。



舞台装置の表現も、これもまた大変判りにくかった。
前回のヨリコジュン脚本の舞台「撃墜王」でも思ったのですが、何故こんなに状況が判りにくいつくりなのか。
これについては、外伝3巻の巻末に書かれている、「原作者田中芳樹氏のカメラワークの巧みさ」の解説を読んでいて、納得しました。
銀英伝の映像的とも言える表現方法、めまぐるしく登場人物の視点が変化するのに、ごく自然に場面転換が行われ、それが読者に物語を俯瞰的に見せながらも、様々な立場の視点から作品を観察させ、物語に惹き込むという役割をしている。そして、これらの技法がいかに高度なものであることかが解説されています。
文章で読んでいると、このことは判りにくいのですが、今回の舞台でその表現がいかに難しいものであるのかが理解できた気がしました。
今回の舞台は、台詞やシーンのカット割りのほとんどが原作に沿ったものであったにも関わらず、場面展開が判りづらく、シーンごとの見せ場も存分に表現されていたとは言い難いものでした。
逆に言えば、原作通りの展開であるのにどうしてこんなに面白くないの?といいたくなる脚本でした。

原作の通りである台詞表現も、全く活かしきれてない。
例えばシェーンコップの「おれたちの存在を教えてやるのさ。ゴシックの血文字でな」や、ケスラーの「真実は時の娘と申します。」の台詞。
文字で見ると洒落てるなあ・・・と感じるこれらの台詞も、あの舞台のなかでそのまま言葉として使われると、どうにも表現として適切に伝わっているのか怪しくなってしまっている。原作通りにそのままやればいいってもんじゃないんです。言葉の取捨選択が大事なのに・・・
これはまさに、原作銀英伝の華麗な状況描写を媒体を変えて表現しきれなかった、ということでしょう。



全く上手くまとめれませんが、願うべくは次こそは脚本家を変えて頂きたい、ということに尽きます。ロイスが生き残ったことで、次の内乱編もきな臭くなってきましたが・・・
「輝く星、闇を裂いて」は前回、撃墜王編と比べてまだまし、とも言えるのですが、やっぱり残念なところが多すぎました。

長いスパンをかけてですが、キャストを変えつつも一応は舞台も物語の完結までもっていくことがわかったので、そろそろ、値段相応の舞台銀英伝が見れたらいいな・・・と思っています。

感想以上です。


第四章 後篇 激突 感想記事
初陣 もうひとつの敵 感想記事
第三章 内乱 感想記事
撃墜王 感想記事
第二章 自由惑星同盟編 感想記事 1
外伝 オーベルシュタイン編 感想記事
外伝 ミッターマイヤー・ロイエンタール編 感想記事



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無題

いきなり失礼します・・・。

感想読ませていただきました!
わたしは二階堂くんのファンなのですが舞台を見に行くことができず・・・。
作品のファンの方にはキャストのファンというだけで見に来るなと言う方もいらっしゃるでしょうが 汗
この舞台のキャストが二階堂くんと横尾くんと知ったとき「なぜこの2人?」と疑問を感じました。
あまり前に出ることの少ない2人がなぜ今回中心人物に抜擢されたのか・・・。
いくらファンでも「この2人大丈夫か?」と思いました 笑
雑誌などでは良いところを抜きだして書いてあるのですが、このように鋭い観点から舞台を見ている方の記事のほうがよほどためになります。。。

しかし、また2人は舞台に登場するようですね・・。
喜びというよりどーなることやらという不安のほうが大きかったりもします・・・泣
Linda 2013.01.05.Sat 17:55 編集
Re:無題
>Lindaさま
コメントありがとうございます。まさかキスマイファンの方からこんなコメントが頂けるとは...(汗
ファンの方からは刺されるんじゃないかと思いつつ記事を書いていましたので...w

キスマイファンの方と原作銀英伝ファンのほうでは、舞台の見解にも溝がありますので、キスマイファンの方からすれば、原作ファンの酷評記事を目にされたら不快な気分にもなりますよね。申し訳ないです。

しかし、キスマイ2人が出演されるようになってからは、客層も広がって舞台規模もどんどん拡大してきていますし、これを期にキスマイファンのかわいいお姉さん方と銀英話で盛り上がったりできたら嬉しいな、などとも思っておりますw

次回の公演、ぜひLindaさんもご覧になってみて下さい。また感想記事を書くつもりでいますので、よろしければまたLindaさんのご感想もお聞かせくだされば幸いです。

温言頂きありがとうございました。

2013.01.08.Tue 22:55
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