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ぬるヲタ 好きなものについてつらつら無駄話をします。 イラスト更新は少なめ
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舞台 銀河英雄伝説 後編 激突 見に行ってきました。以下感想です。

舞台最終章。10作目の今作で完結。
前回の公演も観に行ったものの、感想を書く気にならないくらい面白くもなく死ぬ程つまらない訳でもなく、激突前夜は非常に微妙な案配でした。

激突は演出家に映画監督の崔洋一を呼び、内乱からの再出演でKis-My-Ft2の2人をカムバックさせ、さらにジャニーズ2人をメインキャストに新たに呼ぶ、さらにさらに歴代のキャストを大変更する、という最後の最後にやってくれたなあ・・・といった立ち上がりから迷走ぶりが見れる舞台でした。チケットもかなり売れ残りがあったよう。

始めに書くと、これから観に行こうか迷っている人は観に行かなくてもいいと思います。
今まで出演してきた俳優さんたちの為に行きたい、という人は個々の舞台やコンサートに行った方がいいです。
銀英伝舞台も長い事見てきたし最後まで見たい、っていう人は見なくても大丈夫です。9割蛇足です。
銀英伝舞台から入って先のストーリーが気になるから行くわ、って人は原作を読むかOVAを見ましょう。舞台版では消化不良です。
もう散々辛酸舐めたけど意地で行くわ、という人。・・・もうゴールしていいんだよ。アニメ化決まったことを見てもキティは舞台で散々儲けましたからこれ以上貢がなくても大丈夫です。


では、以下本編感想


開幕
暗転した中、ライトをもった黒尽くめショッカーがダンス。
ラインハルトとヒルダが登場する。幼帝誘拐について話す二人。ヒルダ役の中山さんは前々回からのカムバックですが、声も演技も落ち着いた調子でヒルダらしくなってたのがとても良かった。
幼帝の扱いに対して「わたしが否定すれば閣下はよろこんでくださるのでしょうか」と問いかけるヒルダ。立ち去るラインハルトに一人取り残される。
そこに、オーベルシュタイン登場。現れたかと思うとヒルダの真後ろに立っているのがシュールな貴水さん。
「貴女は閣下の心身をお支えする存在になれるのか、どうか」と、磨きのかかったネチ声で言われるとどうにも、枕営業を勧めているようにしか聞こえない。ヒルダはラインハルトの弱みにつけこむようなやり方をするオーベルシュタインを侮蔑する、と一蹴する。

同盟勢ヤンファミリー勢揃いで登場。
その中に寝間着の酔っぱらいがいるな、誰だ・・・と思ってたら、ヤンでした。二日酔いはいけませんよ、とフレデリカに優しく介抱されると、横尾アッテンボローが下品な下ネタでからかう。最後はサザエさんのような全員の空笑いで締められる。ツッコミたいところは一杯あるけど、とにかく寒い小芝居だったということだけはハッキリ言える。

フェザーン攻略作戦の為諸提督を招集するラインハルト。ルーヴェンブルンといっても今回登場する提督は双璧、オーベルシュタイン、ビッテンフェルトのみ。
作戦立案に当たって対立するミッターマイヤーとオーベルシュタイン、ビッテンフェルト。ミッターマイヤーは熱すぎて最早威厳なし、ビッテンフェルトは嫌みがすぎて「粗にして野だが卑にあらず」てなものではなくただの嫌な奴に見えてしまう。

第三勢力フェザーン。
フェザーンにいく前のシーンでは必ずCGが流れるのだがそれが非常にダサイ。フェザーンのルビンスキーの居住をアラブの宮殿のように描くセンスはヨリコ制作なのが言われなくても分かる。
帝国のフェザーン侵攻作戦について話すルビンスキー親子。
地球教については今まで微妙に触れられてきたのが、今回は完全になかったことにされています。
黒狐ルビンスキー、今回は燕尾服にシルクハットの出で立ち。何故衣装がそこに行き着いたのかは不明だが、せっかく役者さんが役に合わせて頭を剃ってくれたのに、帽子で始終隠してたんじゃ台無しじゃないか。
常連、ケッセルリンク三上さんは相変わらず素晴らしいですね。


イゼルローンからフェザーンへ赴任する為に空港に向かうユリアンと、帝国正統政府への着任の為にハイネセンへ向かうメルカッツとシュナイダー。
ここでモブ兵士たちの寸劇が繰り返される。無駄に尺が長いのでこのシーンはほんとに不要だった。

原作でもフェザーン行きには反発していたユリアンだったけど、ヤンの説得を「もういいです、さようなら」と振り切ってしまう。最終的にはヤン提督のお役に立てるならば、とマシュンゴを連れ、フェザーンの内情を探る為に旅立って行く。

私服のスーツで登場するメルカッツとシュナイダー。幼帝擁立に対して不信感を募らせるメルカッツに、「わたしがお仕えするのはメルカッツ提督ただお一人です!」と宣言するシュナイダー。この二人に限ったことじゃないが、今回は上官と部下との必要以上のボディタッチや長々しい交流が多くて、いろいろとう〜ん、となった。


場面変わって帝国。フェザーン攻略にあたって、一気に同盟を攻め落とすべく作戦名を「ラグナロック作戦」と命名する。・・・んだが、ラグナロックではなく、わざわざ「作戦名は、神々の黄昏!」と日本語読みで言うもんだから、絶妙に残念なシーンになってしまった。提督陣が「神々の黄昏・・・?」と、感嘆の声をあげるシーンが、どう見ても「なにいってんだあいつ」的な空気を醸し出してしまったのが演出の素晴らしくダサいところである・・・

神々の黄昏作戦にあたって、イゼルローンへの陽動作戦を命じられるロイエンタール。尚もラインハルトに反旗をひるがえすこともやむなし、ととれる発言を繰り返すロイエンタールに、ミッターマイヤーは我々はひとつの心で戦うべきだ、と諭す。
ロイエンタールは、自分の生い立ちを語り「今なら、俺は何のために生まれて来たのかが分かる」と言い残して出立する。

ロイエンタール艦隊の襲来に、ヤンは旗艦ヒューベリオンを囮に使い、強襲揚陸艦からトリスタンにローゼンリッターを突入させる。
ローゼンリッター隊員はモブのみの登場で、リンツやブルームハルトは登場しないのでシェーンコップとロイエンタールの白兵戦が見せ所。が、アニメでのあの伝説の食卓ナイフ()での戦いを再現しただけにとどまらず、ポプランさながらののしかかっての取っ組み合いまで演じる始末。
ロイエンタールを仕留め損ねたシェーンコップが帰還すると同時に、メルカッツもハイネセンから帰還する。・・・正統政府についてはいっさい説明されず・・・どうなってるんだ?という感じ。
そしてヤン艦隊はイゼルローンを放棄してハイネセンへ、ロイエンタールはイゼルローンを奪還するのだが、そこのシーンもほぼ描かれず。ヤン対ロイエンタール戦はここ一番の見せ場のはずなのだが・・・以下レンネンカンプらの作戦ももちろん省略。
キャゼルヌ命名の箱舟作戦は夜逃げと称され、この作戦をやるのは誰だ?俺だ!と不平をもらすキャゼルヌ。

登場シーンが少ないわけではないが、コールドウェルの為に見せ場を割いたおかげでいつもより見せ場の少ない撃墜王の二人。
死ぬ時はどんな死に方がいい?と冗談で聞くポプランに、「俺はクロスワードを全部解いて家族に見送られて笑って死にたい。」と不吉な発言のコーネフ。

フェザーン回廊の攻略が完了し、フェザーンに赴くラインハルト。出迎えるのは登場しないボルテックではなくケッセルリンク。
これがフェザーン最後の日だ、と嘆くフェザーン市民とは対照的に余裕の笑みを浮かべて帝国軍の侵攻を見つめるルビンスキーに、ケッセルリンクは銃を向ける。が、「ルパート」と呼ばれ母親について問おうとした隙をつかれて、射殺されてしまう。あなたはわたしの母のことを・・・と呟きながら絶命するケッセルリンク三上さんもの凄い熱演でした。
「あんたからは奪ってやる、あんたにはなにも残してやらない。おれ自身も・・・」っていう改変されたもとの台詞、好きなんですけどね。噛ませ犬になってしまったケッセルリンク。

イゼルローンの異変を知り、ヤンのもとへ帰還しようと行動するユリアンに、マリネスクが登場。マリネスクは原作の好々爺とは違いかなり狡猾なキャラクターになっており、ユリアンたちと取っ組み合いの喧嘩までする。
それに加え、マリネスクはじめユリアンたちまで海賊風衣装なのが?だった。宇宙海賊っていうシャレを本気にとっているんだろうか・・・何百年未来の話だと思ってるんだ演出家は・・・ 


ランテマリオでの戦いにそなえて、ハイネセンポリスでもビュコック始め同盟軍提督陣は膝をつき合わせてるはずなんですが、ここもカット。チュン・ウーチェン登場せず・・・悲しい。イゼルローン放棄後のヤン艦隊の作戦行動の描写もなし。


きたるべき戦いに向け、同盟軍では盛大なパーティ(小説では一行ばかりの新年の祝杯)が催される。
ジャニーズ勢のダンスの見せ場が続いた後、フレデリカが踊る。はねゆりちゃんすばらしい踊りなんだが、いかんせん尺を取り過ぎている。こういう時こそいつもは先陣きって騒ぐポプランがアッテンボローを引き立てる為に大人しくさせられていたのが、ナゾの綱渡り大会が始まると、ここぞとばかりにはしゃぐ。メルカッツ渡辺さんが懐から扇子取り出し、シュナイダーに支えられながら綱渡りを披露する。
この一連のシーン、とにかく長い。蛇足。ここがなければもっと各キャラに見せ場を上手くつくれたはずなのに。


帝国陣。ランテマリオの双頭の蛇作戦立案の後、ミッターマイヤーがロイエンタールを一人にさせたくない、とラインハルトにもらすと、自分とキルヒアイスとの関係を重ねたラインハルトは、「卿はわたしの過ちをくりかえすな」とミッターマイヤーに諭す。ここでも異常に主従の分を越えた関係が強調されますね。


ランテマリオへの出立前にエミールが初登場する。突然よろめくラインハルトを介抱するエミールに、「戦いを前にすると血の流れが変わるようだ」「お前は私の親友に似ている」とラインハルト。SCANDALのHARUNAさんはかなり小柄で、なんとなく男か女かわからない曖昧な見せ方をしている気もした。
ラインハルトが去った後、エミールの顎に手を当てジロジロと顔を見るオーベルシュタイン。「閣下をお支えする存在に成りうるか」とこれまたねちっこくセクハラまがいの発言をし、エミールをラインハルトの従卒にしてしまう。舞台オーベルシュタインはラインハルトの私生活にまで気を回しすぎである。


ランテマリオの戦いは、同盟軍本隊がフィーチャーされないため、ペテン師の活躍も同盟軍本隊との挟撃作戦ではなく奇襲作戦になっていた。

ヤンのもとへ向かうユリアンは帝国軍と接触しながら、巡洋艦を奪ってヤン艦隊と合流する。
ユリアンの帰還に、無事がいちばんと喜ぶキャゼルヌに、なぜか怒り出すポプランと、くってかかるアッテンボロー。謎のかけあい。
ユリアンは、ただいま提督!と、ヤンに飛びつく。熱烈だがユリアンはもう既にヤンと同じくらいの身長なんだぞ・・・
 

ランテマリオの戦いを終え、同盟軍への大攻勢の前に熱で倒れるラインハルト。
介抱に来たのはオーベルシュタインにスカウトされたエミール。
「水を飲ませてくれないか」とエミールにはや口移しを所望か!?と思わせる口ぶりで、献身的な介護を求め、最後にはエミールの頬に手を添えるラインハルト・・・熱烈なラブシーンにしか見えない。
それでもって大問題だったのがその後。エミールが退室した後、ヒルダがラインハルトの自室にやってくる。消えた蝋燭に火をともしながら孤独を吐露するラインハルト。
まさかのあの一夜を、ここで!やりました。しかも謎のエミールとの疑似ラブシーンの後に・・・
あまりにメンタルが不安定すぎるラインハルトが見ていて大丈夫なのかと心配になった。


そして問題のシーンは続く。
同盟に戻ったと思ったら、突然「フレデリカ!」と艦員全員が揃っている前で叫ぶヤン。大衆の前でまさかのあのプロポーズシーンが始まる。
「フレデリカとよんでください・・・、あなた」と突然イチャイチャを初め、「イエスですわ、閣下」の返事をもらうと「なんと言うか・・・なんと言ったらいいのか・・・」のあとの抱擁。
わたしはもう呆然でした。あのプロポーズをなんて演出にしてくれたんだと・・・もうこのためだけに今まで観に来ていたと言っても過言ではないのに、もう涙もちょちょぎれますよ・・・ショック。


バーミリオン星域会戦の作戦立案に提督陣を呼び寄せるラインハルト。「ヤンウェンリーひとりに名をなさしめるためか!」と叫ぶ様子は、童貞を捨てるとここまで人は変わるんですね、と言わんばかりの威厳に満ちあふれていた。
紙にワインを垂らしてみせるシーンは、どうにも手際がマジック臭くて、てじなーにゃかと思いましたよ。
ついでになぜかミッターマイヤーに抱きつくラインハルト。

「見事な作戦ではある。だが反転してこなかったときはどうなるのだ?」原作では9割型口の中にあった独語が口からでちゃってるロイエンタールは、オーベルシュタインに思いっきり不遜なこの台詞を聞かれています。

バーミリオンの戦いが始まる。
ワーレンシュタインメッツを煽ってイライラさせる作戦はカット。
ラインハルトのパイ皮作戦の第8陣を突破ののち、ポプランとコーネフに出撃を命じるヤン。
コーネフの様子がおかしいことに気付き、「生きて帰れよ」と声をかけ出撃するポプラン。しかしコーネフは戦死。コールドウェルがポプランにコーネフの死を伝える。
コーネフに捧げるアッキーの歌、素晴らしかったです。声量が凄すぎてビクッとするぐらい。しかしこのシーンがプロポーズのシーンより長かったのは大変遺憾。


ラインハルトがヤンとの直接対決に向かう前、エミールがチョコレートをラインハルトに差し出す。チョコレートは好物のひとつだ、というラインハルトだがそんな記述あったっけ?
チョコレートは勝利のあとにとっておこう、と言ったラインハルトだが、ヤンの隕石のレーダー撹乱作戦にかかってしまう。
余談だが、この時ブリュンヒルトに突撃するアッテンボローは床を踏みならしながら部下を叱咤激励していたという大変かわいい見せ場があったはずなのだが、横尾くんにそんな甲斐性はない。

ミュラーの活躍がないため、ここでヤンはすでにブリュンヒルトに肉薄していた。
交通誘導員のベストかな?というような光の群れが、青誘導員・帝国軍を、赤誘導員・同盟軍が取り囲む。
「閣下!完全に包囲されました!」との叫びに、「兵よ!わたしはここにいる!」ともうメンタル大混乱なラインハルト。エミールとオーベルシュタインに脱出を促されるが、その場に崩れ落ちてしまう。キルヒアイスの幻影をみて、「キルヒアイス、チョコレートを食べさせてくれ」とすがりつくがキルヒアイスは消えてしまう。


まさかそんなことが敵艦隊で行われているとは知らない同盟軍に、ハイネセンから停戦命令が届く。
「決心なさい!そうすれば、あなたはみっつのものを手にいれることができる!」とヤンに命令無視をそそのかすシェーンコップ。このシーンの緊張感や哀しさやむなしさが好きなんですが、舞台ではもう鑑賞に疲れてたせいもあるけど、あまりそういう類いのものは感じられなかったです。
結局は命令に従うヤンに、「あなたのなさることがどうしようなく好きです」とフレデリカ。この台詞は言います。


ハイネセン侵攻の為に暗躍していたのはヒルダとミッターマイヤー。ロイエンタールもいっしょにハイネセンへ、というミッターマイヤー。重要な台詞を省いてここだけ言われると、ただの仲良し公私混同にしか見えない。


停戦命令の申し出に力なく座りこむラインハルト。狂ったように笑い声をあげるシーンはカミーユ・ビダンかと思いました。一応原作では「華麗さと生気が欠落した彫刻の笑い」とあるのだが。あれはただの精神崩壊した人ですよ。


ヤンとラインハルトの会談。
ミュラーとの会話はなし。これが後の展開に繋がるのに・・・まあこれで最後だから関係ないけども。
会談の内容はほぼ原作どおり。もうちょっと時間をとって演出にも凝って、「退役します」のヤンの言葉や、ラインハルトのキルヒアイスのくだりの重みを引き出してほしかった。
本当この舞台、政治や戦争はおまけです。ラインハルトやヤンの政治的思想や発言も、ここで初めて聞かれた気がする。

ラストは退出するヤンの敬礼で締められる。


毎度おなじみSEARCHING FOR THE LIGHTの合唱。
ジャニーズ勢の歌が下手なことにびっくりしましたよ・・・綱渡りで横尾くんはダンスもアレだな・・・と思っていたけど・・・もう言うまい。

カーテンコールでは、アッキーがあいさつをし、貴水さんが三つ指をついて締めるという素晴らしいサービス付きでした。



・・・全体の流れを書いただけでも長くなったが、まだ書きたい事がある・・・


・カツラが減ったせいと、声の出し方や演じ分けができてなかったりで、舞台にモブを含めめちゃくちゃな人数を登場させる演出中では、キャラの見分けがつかなかった。


・ヨリコの映像演出がダサすぎた。


・あらゆるところでジャニーズをみせる演出。尺取りのあれらが無かったらもっといろんなシーンが入れられたのに。


・戦争も政治もおまけ
今回は戦略戦術論も少ないし、そもそも戦闘がおまけのような扱い。ロイエンタールのイゼルローン侵攻やイゼルローンからの撤退なんかも最後までしっかりやらないから、進行が?といった感じだったと思う。何をやっているか、というより何の為にコレをやっているのか、というのが分かりにくかった


・間宮くんの熱演に対して扱いが悪すぎる
ラインハルトのメンヘラキャラを作った罪は重かろう。3人の男と女に心と身体でよりかかる姿には、もはや銀河の覇者の面影なし。
キルヒアイスは確かに重要だが、死んだ後も何度も登場させることで、ラインハルトが決意ではなくトラウマによって動いている感じが印象づいてしまって、ラインハルトのかっこよさが見えてこない。

・そもそも、それぞれのキャラクターが変わり過ぎて、人物像がブレブレ。
ヤンもキャラの描き方も薄かった。一番の原因はキャストが多すぎて台詞も出番も少なくなったせいなんだけど、ここ一番の見せ場が多い風雲篇でこの演出はガッカリだ。削られた台詞の中にどれだけいい台詞があったか数えきれない。

フレデリカとのプロポーズシーンが一番の楽しみだったのに、ヒルダとの一夜どころかコーネフの弔いよりも尺が短く、演出も雑だったのが一番残念でならない。
対比でヒルダを使うのはわかるけど、エミールの絡みを入れたことによってラインハルトの精神の脆弱さが際立っただけに見えるんだが・・・

ユリアンにしても、ヤンの後継者としての立ち位置がはっきりしない。フェザーンへ旅立つシーンも「もういいです」はちょっとやりすぎかなあと。ヤンを尊敬しているからこそ、見捨てられたという気持ちが反抗に向かったのに、あれじゃただの生意気に見える。
だいたい、フェザーンでユリアンは、政治的なパーティに参加したり、経済の様子を探ったり、ヘンスロー弁務官を助けたり、帝国軍の侵攻の時は同盟の情報を破棄したり、滅茶苦茶働いていたのに、総カットで「何を見て来た?」と聞かれて「ローエングラム候を生で見ました!フェザーンの人は自由な心を持っています!」って情けなさ過ぎる・・・
前回の戦犯・マシュンゴは寒いギャグがなくなって荷物もちに徹していたのは良かった。

IZAMのムライは酷すぎる。演技がどうとかより、キャラクターにあってないのに無理矢理ねじこんだ感が凄くて、それこそ今回の脚本はキャラクター性は原作を原案にしたものにしたんじゃないかと思ってしまう。

シェーンコップは最後の最後で岩永さんから変わってしまった。
山口さんも身長が高いし、殺陣もかなりキレがあってかっこ良かったけど、やっぱりローゼンリッター隊員もいないし、尺の都合上ヤンとの絡みも少ないしでシェーンコップの良さが出てなかったなあ。最近になって岩永のアニキも他の演者とのアドリブや掛け合いが増えたりしてシェーンコップらしさがでてきてたのにほんとに残念。

キャゼルヌ先輩とオーベルシュタインは安定していた。天宮さんも貴水さんもおつかれさまでした。

ヒルダは好きです。けど扱いの悪さではフレデリカのほうがヒロインとして可哀想だが、今回のラインハルトが錯乱したまま例のシーンにいった所でなんというか身体だけの人みたいな感じもあったりして可哀想だ。
最後にラインハルトが絶望するシーンでも側にいたのはエミールで、助けを求めたのはキルヒアイスだったし。不遇のヒロイン。

ロインエンタールはキャラクターが一番ブレてて酷かったな。クールではないし、理知的とも言い難いし、今回は明らかにミッターマイヤーの引き立て役になっていた。「俺は生まれて来た意味が分かった」て台詞があったけど、ロイエンタールの反逆は確固とした意志があってやった訳じゃないから複雑なんだが・・・「どうせ生まれて来たのなら可能なかぎり・・・」っていうなんともいえないニュアンスのモノローグが原作にはあるんだが、なんというか舞台では単細胞すぎた気がするな。
だいたい双璧相打つまでやらないのなら、ロイエンタールの反逆フラグにあそこまで尺をとる必要なんてなかったのに。

ジャニーズ勢に関しては特に何も。必要のないキャスティングだったのは明白で、尺を重点的にとらせたのはかなり腹立たしいものがあったけど、他の出演者が多すぎるせいで台詞も少なくなっていたので細かい演技まできちんと見れなかった。ただ滑舌の悪さと台詞忘れの多さは相変わらず酷い。後輩の2人の方がまだましだった。アッテンボローがドヤ顔でヤンの戦略を話したり、突然未来の歴史家アッテンボローを登場させたりは言うまでもなく嫌でしたけど。
そんなジャニーズ勢にも、いいとも!だろ!とアドリブを入れてあげるアッキーはほんとにいい人だ。


とにかく時間を割くべきシーンと必要ないシーンが逆転していたというか。重要なシーンや台詞がカットされて無駄なオリジナル演出が多すぎた。それがいいように作用していたわけでもなく、世界観がブレブレになってしまっていた。

最後の最後で駄作を作ったな・・・って感じです。
失望感はもう撃墜王のころにどっかに置いて来たんで「あーあ」ぐらいしか思わなくなったけど、わたしがこの約4年間かけてきた10万円のチケット代が悲しい。
せめて有終の美を飾ってくれればよかったものの、あんな中途半端な終わり方では納得もできないし、「舞台ってなんだったんだ・・・」というバカみたいな感想しか残らない。

今回発表された新アニメ化については明言できず。
ただ手放しに喜んでいる人は少ない様子。キティが舞台を踏み台に儲けたいが為にやるアニメというのが見え見えでそれ以上の需要がない。
結局はみんな見るんだろうし新規ファンもつくだろうから一定の儲けは出るんだろうけど、もうこういう過去の遺物を発掘して儲けにつかうっていうお決まりの流れはやめてほしい。
銀英伝ファンは原作とOVAでもう充分ですよ。


以上、舞台感想でした。

初陣 もうひとつの敵 感想記事
第三章 内乱 感想記事
輝く星 闇を裂いて 感想記事
撃墜王 感想記事
第二章 自由惑星同盟編 感想記事 1
外伝 オーベルシュタイン編 感想記事
外伝 ミッターマイヤー・ロイエンタール編 感想記事
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